≪ 反対討 論 ≫     石丸定

私は、第103号議案について反対の立場で討論を行います

今回の条例には、内容と手続きについて、(重大な)問題点があると私は考えます。

まず、内容について

「蘭学館」は、これから、武雄の歴史資料の常設の展示館として、ますます、充実すべきである。

(すなわち)

「蘭学館」は、武雄市民や武雄を訪れる人々にとって、武雄の歴史資料の常設の展示場として、武雄市の歴史を理解するうえでは、大きな役割を期待されている。

※佐賀藩近代化の礎になった鍋島藩武雄領の功績を顕彰する象徴的な施設(シンボル)であり、武雄市図書館・歴史資料館の建設にあたっては、この象徴的な施設として、また、(日本とオランダ)の友好の記念の建物として 蘭学館は、関係者をはじめ市民のみなさんの熱い想いのもとに造られた施設であり、蘭学館のタイルは、建設当時、オランダから運ばれたもので、開館時には、オランダ大使もお見えになっていると聞いております。

蘭学館は、開館12年を経て、「展示内容に変化が無く。」「見学者が少ない。」などと、今回の図書館のアンケート調査結果をもとに、言われておりますが、

蘭学館は、『鍋島茂義公をはじめ、武雄鍋島が、幕末、明治維新と、時代に先駆けて日本をリードし、武雄が一番輝いていた時代』の歴史の展示がなされていること。

この『武雄の先進性』は、「私たちの郷土の誇りとするもの」であり、これから武雄を担っていく子どもたちをはじめ、武雄市民や武雄を訪れる人が、蘭学館に行けば、いつでも(常時)、この誇るべき“武雄の歴史”を見られる。蘭学館は、武雄市にとって、これからの 人材育成や まちづくり のために、極めて大切な施設であり、

来年4月の図書館の指定管理制度のスタートとあわせ、蘭学館は、歴史資料の常設の展示館として、展示内容や展示方法の改善を行い、ますます充実すべきであると私は考えております。

今回の図書館アンケート結果を理由に、「蘭学館がなくなる」「蘭学館」を民間企業の販売等のエリアとして、すなわち、一企業の営業のための施設として貸し出すようなことがあっては、決してならないと思います。

今回の武雄市図書館・歴史資料館の指定管理制度は、@図書館・歴史資料館の施設の管理運営と、A図書館の運営をお願いするものであり

もともと、指定管理者CCCは、その範囲内での指定管理を優先すべきで

今回、指定管理決定後に、市民アンケートの「現時点での蘭学館の入館者が少ない」などを盾(根拠)に、「武雄市図書館・歴史資料館の象徴的な施設(シンボル)を

自社の事業として、CDやDVDの有料レンタルのスペースとして借り上げ、会社の事業を拡大しよう」と、提案すること自体、これまでの武雄市図書館・歴史資料館の設立趣旨等をないがしろにし、複合施設としての機能を揺るがすものであり、日本でも有数の優秀な企画会社CCCが提案すべき内容“仕事”ではないのではないかと思います。

図書館と歴史資料館は複合施設として、さらに充実を図らなければならない。

このためには、図書館の市民価値(付加価値)向上とともに、歴史資料館の充実も不可欠であり、歴史資料館の市民価値の向上も図るべきであり、

今回の条例案によって、「蘭学館を歴史資料館の分野から図書館ゾーンに加え、

一民間会社のCDやDVDの有料レンタルのスペースとして貸すこと」は、図書館・歴史資料館の複合施設としての機能を、著しく損(そこ)なうものといえます。

企画会社であるCCCは、今回の指定管理の協定書にもとづき、市民のため、市民価値の向上のため、武雄市図書館・歴史資料館の充実を図り、蘭学館は歴史資料館の展示施設としての“再生”のためのアイデアや提案をして欲しい。

今回のような、民間会社CCCの事業拡大優先の経営手法は、今後の図書館・歴史資料館の指定管理の事業運営のやり方・方針にも関わるものであり、

私は、指定管理者CCCの今後の武雄市図書館・歴史資料館の管理運営に、非常に強い不信感と疑念を持たざるを得ません。

 

次に手続き(手法)についてですが

蘭学館のあり方について、我々議員は、もっと、民意を聞くべきであると思います。・市長は、12月議会の一般質問の答弁で、「蘭学館を「指定管理者CCC」に貸し出す(明け渡す)ことを、10日前に決断をした。」と発言されました。

佐賀藩近代化の礎になった鍋島藩武雄領の功績を顕彰する象徴的な施設(シンボル)である「蘭学館の貸出し」について、〜いくら行政はスピードが大事と言っても〜

このように、短期間に、決定して 』よいものでしょうか。

佐賀新聞(11月17日付け)の記事にあったように、

市民をはじめ、関係者にとっては『蘭学館の民間への貸出し』・『方針転換』は、

まさに“寝耳に水”であったと言わざるを得ません。

関係者をはじめ市民への事前の説明と理解を得るために、時間を充分にとって、決断すべき『重大な事項・決断』であるべきであると思います。

今回の図書館の市民アンケートでは、「蘭学館の民間への貸出し」について、市民は、賛成しているとは思えません。

まさに、市民のみなさんの、感想である“寝耳に水”は、『蘭学館は、

来年4月以降も、歴史資料館として残っていくものである。』と思って居られたと考えられます。

ぜひ、議員各位も、市長の「10日前の決断」について、市民の本当の声を聞いてから、もっともっと慎重な判断をお願いしたい。

また、教育行政を担う“教育委員会”としても、充分な協議がなされるべきである。

教育委員会は、11月15日に開催された

○「武雄市新図書館構想の市民報告会」(11月15日 武雄市文化会館)において

参加した市民からの質問『(江戸期の蘭学資料を展示した)蘭学館がなくなるとのうわさを聞いている。蘭学資料は日本の宝。つぶすようなことがあってはならない。』

との、市民の切実な意見について

武雄市教育委員会の回答は、

『蘭学館については、市の改修工事費には含まれていない。蘭学資料は武雄の素晴らしい財産なので、これからも大切に守っていく。』と答えておられます。

すなわち、教育委員会は、この条例案の提案の1ヶ月前(11月15日)の市民報告会において、蘭学館について、「図書館に併設する歴史資料館は、今回の改修事業の対象外で、4月以降も、そのまま歴史資料館として存続する」ような市民への説明をしておられます。

そのうちでも、特に、市民の皆さんが要望されている「歴史資料館の象徴である

『蘭学館』を歴史資料の展示館として、(来年4月以降も)存続して欲しい。」の意見について、参加された市民や佐賀新聞の11月17日付けの記事を見たほとんどの

市民は、『蘭学館』は、来年4月以降も歴史資料の展示館として、存続すると思われた。

今12月議会での教育委員会の説明では、教育委員会の協議・決定について

「今回の条例案、すなわち、蘭学館の民間貸出しについては、12月12日の“臨時”の教育委員会において協議・決定がなされている。」との説明ですが、

これは、12月14日の議会への条例案の提案の2日前の“臨時”の協議です。

教育委員会のこの協議の内容は、定かではありませんが、教育委員会の協議の結果として『蘭学館の貸出し』〜民間会社のCDやDVDの有料レンタルのスペースとしての貸し出し〜という「10日前の市長の決断」の“追認”をしたと言うことであり、

教育委員会は、「10日前の市長の突然の決断〜方針変更〜」について、どのような議論をされたのか。市民報告会での11月15日の市民への説明との食い違いについて、また、市民や関係者への説明責任や合意形成について、〜教育行政を担う教育委員会として、どのような議論になったのか。非常に疑問を持たざるを得ません。・教育委員会は、もっと慎重に、教育施設である歴史資料館のあり方についての議論が必要であり『蘭学館』の目的変更については、改めて十分な議論が必要であるということを指摘して私の反対の討論と致します。

議員の皆様のご理解のほどよろしくお願いいたします。

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